蒼い魔術師は悪夢を屠る 6
第五章
私がアカデミーで受け持つことになった科目は
「魔術術式構築論」と「魔術指揮系統理論」「戦略級魔術術式論」の3つと、
それに付随する実技もだ。
翌日から、さっそく講義が始まった。
最初はハンダーが受け持つBクラス
教室に入ってから言う
ナタリー
「…えー、このたび、このアカデミーに着任しました、ナタリー・H・ノーツです。
よろしくお願いします。
…ではさっそく、戦略級魔術術式論を始めます。」
授業は淡々と進んだ。
皆、意外と真面目だな。
「…ここまでで質問はありますか?」
学生も、積極的に質問をしてくる。
そんな中に、こんな質問をしてきた学生がいた。
「…自分は魔術師に向いていないのではないか?」と
私はある種の、既視感を覚えた。
そこで私はこう返した
ナタリー
「…皆さん、もう学んでいると思いますが、
一口に魔術と言っても、細分化するといくつもの分野がありますよね?
ここにいる皆さんは、魔術適性があると判断されたから、このアカデミーに入学できています。
そして人には必ず、向き不向きがあります。
…例えば、私は、「術式を編む」ことは得意ですが、苦手なものがあります。
「略式魔術」です。
略式魔術の利点は、「発動までの速さ」と「魔力の低コスト化」ですが、どちらの利点も、私は上手く活かせていません。
その点、あなた達の担任のシバイ…ドックマン先生は、凄いんですよ。」
学生たちは意外そうな顔をしていた。
そして不意に、教室の空気が変わったのを感じた。
その後、学生たちからは、矢継ぎ早に様々な質問をされた。
「ノーツ先生は、あの史上最年少で「蒼」の称号を得た魔術師なんですよね?」
「先生はいったいどんな戦果をあげてきたんですか?」
「先生のプロフィールや経歴を聞きたいです!」
「先生はここのOGなんですよね?当時のアカデミーってどんな感じでしたか?」
「…先生はドックマン先生と同期で同い年ですよね?…あの何かご関係とかは…?」
私は「守秘義務なので」の一点張りで通し、その講義を終えた。
学生は、とゆうか若者は、やっぱり好奇心旺盛だ。
魔術適性がある「魔術師候補生」ともなれば、なおさらか。
ナタリー
「…これから苦労しそうだな…でも、楽しそうでもあるかな?」
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