灰色の国 (くるー)

創作小説をはじめ、その他徒然と書いています。

蒼い魔術師は悪夢を屠る 3

 
 
 
第二章
 
 
かつて
この世界『ルクルズ』は3つの大陸があり、
それぞれの大陸に1国ずつの国が存在した。
 
 
史上を幾ら溯ろうとも、
途絶えることの無い戦乱が3国間や、
内戦と言う形でも存在した。
 
 
 
 



 
今から200年ほど前、
一部の魔術師と少数の家系が
国を問わず合同で研究を重ねていた。
 


『そもそも何故、戦乱が収束しないのか?』と
 
 
 
 



 
 
 
それから30年ほど後になり、
とある魔導士が、ある種の悪魔、
位置づけ的には悪魔の上位種となりうる存在を突き止めた。
 
 
 
 
 
その魔導士は、
その上位種と接触し、奴らは自らを
『パラドクス』(矛盾)と自称した。
 
 
 
 
 
 
 
個々の知性がとても高く、
人間の怨みや嫉妬というような、
いわゆる『負の感情』を糧とし生まれ、成長するもの
 
 
 
 
 
 
パラドクス達は、歴史上、
それまではほぼ、認識されていなかったが
彼らは糧を得る為に、
そして、彼らの言う『次のステージ』を目指す為に
パラドクス達は各国内部で、戦乱を煽っていた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
その結果が判明したことで
研究者達は各国で一斉に行動を起こした。
 
 
 
 
 
 
 
具体的には
パラドクスに内通し、協力する者か
又は『パラドクス憑き』を国の政治から排除することだった。
 
 
 
 
 



 
 
しかし、なかなか上手くは行かなかった。
 

だがそれから10年後に、
1つの国が、パラドクスを排除することに成功した。
 
 
 
 
 
 
 
その国を救ったのが、
現在の軍のトップでもあり、
特務会議室 室長のソードマンの家系である。
 
 
 
 
 
 
 
現在の軍のトップ
 「スレイヤー・A・ソードマン」もそうであるように
ソードマンの家系は
魔術師の術やパラドクスの能力に対し、
一切 干渉を受けない血統らしい。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
そのソードマン家を筆頭に
他国の救済という名目で、
他の2国もパラドクスを権力者から引き剥がす事には成功した。
 
 
 
 
 
 
 
しかし、最後に残ったパラドクスは消える前にこう残した
『我々は、お前達人間から生まれ落ちたも同然。お前達人間が存在する限り、我々は何度でも生まれる』と
 
 
 
 
 
 
研究者曰く、それは本当のことだった。
 
 
 
 
パラドクス達は、その後に何度も出現し、
今度は以前までのように、存在を隠すような手法ではなく
村を襲い、時には人間自体をも捕食するようになっていった。
 
 
 
 
 
 
 
そこからは、3国同意のもと、
1つの国が完成し、人類の天敵、パラドクスに対抗する為に軍隊や法律が整備され
現在に至る。
 
 
 
 
 
 
当時の名残からか、軍のトップは
ソードマンの家系かその分家が多いが、
時には魔術師協会からも選出されることもある。
 
 
 
 
魔術師協会は元々3国それぞれに存在したが、魔術師協会も一本化し、
それぞれのトップの証として 
『赤』 『蒼』 『緑』の色を称号とした。
 
その後も、その制度は現在まで続く。
 
 
 
 
 
 
 
魔術師協会が軍部に取り込まれても
自治性、独立性は一応、保っているが
それでも、軍の一組織には変わり無い。
 
 
 
 
 
 
3国が1つになり、法律や軍が整備されるなか
軍の下部組織として3種類のアカデミーが設立された。
 
 
 
 
1つ目は、剣や槍など、一般的な武器を使用して戦闘する兵を養成するアカデミー
(ここに入学する者の3分の1ほどは、ソードマンの家系のように、魔術的干渉を一切受け付けないか。又は、干渉を受けずらい者がいる。)=(魔術適性は無い)
 
2つ目は、魔術適性のある者を魔術師として養成するアカデミー
 
3つ目は、魔術適性もあり、剣、柔術、作戦の指揮。
それら全てを総合的に学ぶ、
幹部候補生を養成することを目的としたアカデミー
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
今回、ナタリーこと私が赴任するのは
古巣でもある2つ目の、
「魔術師養成アカデミー」である。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
飛行艇で大陸を渡り、汽車で2時間ほど
そこから更に徒歩で1時間の山中に、そのアカデミーはある。
 
 
 
 
ナタリー
『…ふぅ〜…やっと着いた。
…卒業してから一度も来てないから、何年ぶりかしら?…
19歳で卒業して、今は…27歳だから
…約8年ぶりか…道理で歳をとるはずだわ。』
 
 
 
 
 
 
 
 
一緒に赴任する先輩魔術師は、昨日到着したとのことだった。
 
 
私はアカデミーの大扉を開き、8年ぶりの光景を目にした。
 
 
 
 
 
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