灰色の国 (くるー)

創作小説をはじめ、その他徒然と書いています。

2017-05-01から1ヶ月間の記事一覧

職場の母「うちの娘、息子たちですー」

私の職場は、私と 一つ年下 一つ年上 私 合わせて3人以外は まさしく私たちの父親母親と同年代の社員さんがほとんど そのうち 自称で 「あなたたちの母よ!」と言いきる先輩社員と私たちの3人も含む一コマ 職場の母 「…左から うちの長女! 次に次男 さらに…

『 狂うとタミとえらい王様 』 -短編作-

いくらなんと聲をあげようと 届かないか 響かない いくらタミが声あげても 貴族 王には罷り通らず 国王制 貴族制ならいざ知らず 力さえあれば どんなことでも ”正当”であり”正しさ”であり ”常識”であり それから外れれば その人既に 無法者 どこで 一体どこ…

常世の月に

蒼白な面持ちで向かい 薄皮一枚のような ペラペラでいて見え透いた 作り笑いで虚無のやりとり 感情がない顔で帰路につき 何も感じず食を通す ふと見上げた 空はいつになく… 美しいようで 恐ろしさも含む 今少し 時間をかけてもいいのだから 考えてみよう 心…

『 港街の”梟少年”は 』

少年は毎日 海へ赴く いつかこの海を越え、こんなところから出て行きたい そんな思いを忘れぬように 今日も海の向こうを見つめては 決意を固めて 今日生きる ある中年の男性が少年へ問うた 「そんなわからない海の向こうへ なんで行きたいんだ?」と 少年は…