蒼い魔術師は悪夢を屠る 4
第3章
「…(本当に変わってないな)…」
いや、若干、様々なところが老朽化しているものの、校舎や中庭の風景は
本当に変わっていない。
「…変わっていないだろう。本当に。」
思っていたことを他者から言われ、
その方向を見ると、見知った顔がそこにはあった。
ナタリー
「…ラック先生。今日はこちらでしたか。
…そういえば、本部では最近お見掛けしませんでしたが?」
ラック先生こと、「ルーグ・ラック」
「緑」の称号を持つ魔術師。
軍では現在「第二師団 参謀長」であると同時に、
私がアカデミー生である頃から、このアカデミーの教頭を兼務している。
御年60歳だが、外見はとても若く見える。
ルーグ
「正直、今の本部はあまり好かん。
この山中の学び舎で、若者を指導するほうがよっぽど…生産的じゃ。…それよりも、お前とこうして、「この場」で話していると、色々と感慨深いものがあるのう。」
ナタリー
「はは、そうですね。」
私はそう話しながら、心の中でこう思っていた。
「(これは…1時間は余裕で話しだす感じかしら…)」
だが、そこに十数人ほどの学生の集団が来た。
生徒
「…なあ、あの女の人って、もしかして新しく来るっていう人じゃない?」
「…若いし、…綺麗な人だな…」
「昨日の来た先生は違ったってことは、あの人がこのアカデミーのOGってこと?」
「…えっ?ってことはもしかして、あの「蒼」の魔術師ってのは…」
ルーグ
「ほほほ、有名人じゃの。「蒼の魔術師」どの。」
ナタリー
「…いやいや、先生のほうがよっぽどですよ。私は物珍しいだけです。
身近にいる「緑の魔術師」様のほうがよっぽど凄いですよ。」
ルーグ
「…とりあえず「教頭」として、「新任の講師」を案内しなくてわな。…と、言っても、施設や設備は「この校内」は、当時のまま、ほぼ変わらんがの…こっちじゃ」
ラック先生について教職員室へ
そこでは、これまた懐かしい顔があった。
???
「よっ、元気してたか?懐かしいだろう?ナタ?」
ナタリー
「…久しぶりですね。ドックマン…いや、シバイヌ」
???
「また、その名前で呼ぶー。せめて、学生の前ではやめてくれよな」
ナタリー
「…分かりましたよ。本当に久しぶりですね。「ハンダー・M・ドックマン」」