蒼い魔術師は悪夢を屠る 1
第一章
「…議題は以上です。何か質問のある方はいらっしゃいますでしょうか?」
誰からも質問はなかった。
ソードマン室長の秘書は続けた
「…それでは今回の「特務会議」を終了します。お疲れ様でした。」
皆、それぞれ退室していく。
「分室長」でもあるトーキ分室長。
その補佐官である「ナタリー・H・ノーツ」こと私も、
分室長に続いて退出する。
「…それにしても、「噂」は本当だったんだねー。
まあ魔術師の数はともかく、「質の向上」という意味では妥当だろうけれども。
…ナタリー君、君も大変だねー…」
私は、「はあ」とため息しか出なかった。
トーキ分室長のいう通り、大変なのだ。
今回の議題は、
「「定められた日」に向けての戦力増強」についてだった。
現存する兵力の増強もさることながら、
「後身の育成も重要である」とソードマン室長が提言した。
つまりは、予備兵やアカデミー生の育成強化を目的に、
現役の従軍兵が直接指導するというものであった。
以前までも、
確かにそのような制度はあった。
しかし、今回は「強化」ということで…
つまりは通常の3倍以上の負担が
現役の指導兵にはかかる。
扱いとしては「一部 出向」となる。
そのメンバーに、魔術師系のアカデミーへは
私と、どうやら先輩魔術師の2名が選抜されたのであった。