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灰色の国 (くるー)

創作小説をはじめ、その他徒然と書いています。

愚者と女帝と刑死者と 18

いつまでも感傷には浸っていられない。


引退に向けて、
着実に引き継ぎは進んでいた。




次期部長の候補も目処がたち、
僕達は次の現実を突きつけられた。





進路だ。




夏休みも残り3日
また、3人で 僕の家へ集まり、
残りに残った宿題を片していた。




正確には、
愚者の宿題を、
女帝と僕の2人で見てやっていた。




 半べそをかきながら宿題を進める愚者が、
おずおずと言い出した。

『2人はさ…進路はどうするの?』 







女帝は迷いなく答えた。
そこは隣県で、音楽科のある有名高校だった。






愚者はと尋ねると、
県内の芸術科のある高校を目指したいと言っていた。

両親には未だ、反対されているようだが…





刑死者こと僕は、
2人のように 
具体的に何がしたいというものはなかったが、
好きな科目が公民や社会科などであることから、
ゆくゆくは、法律を学んでみたいな…

なんて思ったりもしていたので

三者面談の際に、その事を伝えると
それならと、担任からは、
自宅からは少し遠い、私立の進学校を勧められた。









夏休みが明け、秋になり、
受験モードも本格化しつつあったなか、
事件が起きた。











刑死者こと僕の父親が、
死んだ。






父は長距離トラック運転手であったが

高速道路のトンネル内で大規模な事故が起き、
それに巻き込まれたとのことだった。

夜中に
警察から掛かってきた電話で発覚した。