灰色の国 (くるー)

創作小説をはじめ、その他徒然と書いています。

愚者と女帝と刑死者と 4


6年生になってからの初夏
事件が起きた。

要はこうだ
愚者の彼女が、クラスメイトの男子に『あること』を言われ、激怒してしまった。

その結果、相手の頬をグーで殴った…らしい。

当事者の保護者たちが学校へ来たりして、ちょっとした騒動となっていた。


子供の喧嘩ということ。
そして双方の保護者とも、上手く折り合いがついたことから

事件はすぐに収束した。
が、愚者の彼女は1ヶ月近く不機嫌であった。

刑死者の僕が、
何度か 『何故手が出るほど怒ったのか』を聞いたが
当時は『あんたには関係ない』の一点張りだった。


秋になり、愚者の祖母が亡くなった。
その関係で 彼女は数日間 学校を休んだ。

そこで僕は女帝と2人で帰っていたのだが、
ふと初夏にあった事件を思い出し、
女帝は何か知らないかと尋ねると
『原因の一因はあんたよ』と、
正直、予想外の返答が帰ってきた。