愚者と女帝と刑死者と 2
小学4年生にもなると、なんだか今まで通りにいかなくなった。
それぞれの道を
バラバラに歩み始めていた。
愚者の彼女は相変わらず、厄介だった。
だがそれと同時に幼い頃から好きだった絵を本格的に学びたいと
絵画教室へと通う傍ら、
運動神経も優れていたため
運動もしたいということで、陸上部にも参加した。
女帝はといえば、ある日突然 、トランペットを始めた。
小学校の吹奏楽部に参加する傍ら、
トランペットの個人教室にも通い始めた。
刑死者こと僕も例外ではなく、友達の誘いで野球のスポーツ少年団に入団した。
そんな3人ではあったが
今まで通り 毎日とは言えないが
節目節目には、集まって、くだらない話しをしていた。
やっていることも進んでいる方向も違うのに、自然と話しは弾んだ。