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灰色の国 (くるー)

創作小説をはじめ、その他徒然と書いています。

食べ物とご飯

 

美味しいお肉に焼き魚、

ご飯を食べて 勉強をして 学校へ行って、進学資金を貯めるためにバイトをして…

 

友人たちはみんな「大変だね」や「すごいね!」なんて言うけれど

私にとっては大したことはない。

 

確かにうちは片親で、下の妹弟の世話もあり 金銭的にも他所に比べれば大変かもだけど

それでも 他の家にもそれなりに 事情があるから”程度の差”ぐらいにしか考えてはいなかった。

 

夜のバイトを終えた帰り道

父は今日も遅くなると言っていたが夕飯も用意してくれてあった。

 

妹弟達は夕飯を食べて寝入っている頃だろうか?

 

父は私に「お前はたまには美味いものでも食べてこい」と少し多めなお金を持たせてくれた。

 

ふらっと目についた定食屋に入ってみた。

 

カツ定食を注文し、一口食べた途端 不意に変な気持ちが湧き上がってきた。

 

変な顔をしたまま固まっている私を見た店主のおじさんが「姉ちゃん?どうしたかい?口に合わんかったか?」ととても心配して声をかけてくれた。

 

私はポツリポツリと口に出して説明してみた。

「… このお肉にしても、お魚にしても…私はこういった命を殺して生きているんだよね…?…なんだろう?…私って そんな命を奪ってまで生きている価値あるのかな…?…なんて…!」

 

最後は自分で言いながら苦笑いをしてしまった。

すると店主のおじさんがこう答えた。

 

「生きる価値ってのは人に言われたりしてきめるものじゃ決してないし、もしかすると自分でもわからないってのが正確なのかもな…」

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こうも続けた。

 

「それにめしがなけりゃ生きてけないだろ?…少なくとも メシに関しちゃ、感謝の気持ちをこめた「いただきます」と「ごちそうさま」がきちんと言えていれば十分さね」

 

私は大きく一呼吸をした後に

改めて両手を揃えて大きく できる限りの気持ちをこめてこう言った。

「…いただきますっ!」