『 左利きの手引き人 』
『夢は叶った。…だからもう良い』
そう思っていた。
叶ったからこそ諦められた。
もう良いと思えた。
…けれども諦めさせてはくれなかった。
それをしたのは
私の夢を叶えさせてくれた 男の子
その男の子が与えてくれたものは
私にはあまりにも残酷で 冷徹無慈悲で
それでも美しくて
私に未練を生まれさせた。
足掻いた
もがいた
泣き喚いた
苦しく辛く それが続いて
毎日毎日 眠れなかった。
さいごの邂逅で
男の子は『ごめん』と一言
あまりにも悲痛の表情で言った。
それでも 私は
夢を叶えてくれて
それでいて
こんなにも沢山を 与えてくれたその男の子へ
感謝の想いで いっぱいだった。