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灰色の国 (くるー)

創作小説をはじめ、その他徒然と書いています。

戦乙女は何故に?

 

あたしたちの1日は 

目覚まし代わりのアサルトライフルの銃声で始まる。

 

他のみんなも同様に

”銃声から100秒以内”に寝袋から出て 寝間着から制服へ、そして装備品を装着して広場へ集合する。

 

…この レジスタンスキャンプへ 親から無理やり送り出されてから3ヶ月が経った。

 

こんな異常なはずの生活に、慣れてしまった自分が嫌だ。

 

今朝も1人、集合時間に間に合わなかったからと言って

教官から鞭でぶたれている、あたしと同い年くらいの女の子がいる。

 

(…あーあ、あの子 そろそろ死んじゃうのかな…)

こんな風に、仲間である者の死さえも、軽々しく考えられてしまうくらいに、あたしは狂ってしまったようだ。

 

 

今日の任務は国軍 拠点の斥候

 

教官2人に、あたしたち 子どもが5人ついて行動する。

 

…このメンバーの中に 今朝 鞭でぶたれていた子もいた。

 

その子があたしへ『ねえねえ、もしかしてあなたでしょう?』と話しかけてきた。

 

『あなたも軍の奴らが憎くて、このレジスタンスに参加したの?

…他の子から聞いたんだけど、貴女の腕は 幹部クラスの教官と同等くらいと言う子もいるの!

…そんな貴女と一緒に任務ができるなんて…光栄だわ』

声を潜めながら、嬉しそうに彼女は言う。

 

『…』

 

あたしは口を開きかけて、でも言葉が出せなくて、黙ってしまった。

 

そのまま斥候は順調に行えていたが、数分後、国軍兵に発見され、逃げ出した時に1人撃たれた。

 

その子を置いて、あたし達が逃げついた先は

国軍が設置した地雷源だった。

 

教官1人が追っ手に撃たれ、倒れた。

一人残った教官は、あたし達子どもを盾に国軍兵へ言う。

 

『お前達は!罪の無いこの子どもを撃つと言うのか?!…お前達の正義とはなんだ!…この女王の犬が!』

 

銃声は一旦消えたが、 今度は数秒間隔で一発一発が重い、銃声が聞こえるようになった。

 

(スナイパーライフルの狙撃に切り替えた?)

 

教官は

『お前達っ!俺を守れ!』と叫ぶも、子ども達は怯え、固まってしまっている。

 

それに対し教官が

『…このっ…!能無しどもが!』と言いながら、たまたま手近にいた 今朝の例の子の髪を掴み、自分の盾にした。

 

直後の銃声で、その子は頭を撃ち抜かれた。

 

 

『…(…あたしはなにをしているんだろうか?…

生きるため? …生きるためには…進まないと?…進むためには…闘わないと!)…』

 

『…そうだ…こうしよう…』

あたしはぼそっと独り言を言った後に

支給品のグロックを教官へ向けた。

 

教官

『…なんだ?…なんなんだっ?!…お、お、お前? なにをする気だ?!』 

 

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『…教官、本当は分かっているでしょう?』

 

パンッと頭部へ一発

教官は即死

 

あたし達への銃声は止んだ。

 

 

 

あたしは生きる。

生きるために必要なのは耐えること。

 

レジスタンス達が言う、曖昧で不確かなそんな未来、あたしは信じられない。

 

あたしは生きる。

生きるために必要なのは耐えること。

 

あたしが信じられるものなんて

本当にとても、数少ないけれども

 

あたしは生きる。

生きるために必要なのは耐えること。

闘う意志は”そこ”にある。

 

あたしはその子の名前も知らないが

”仲間”がその子のような最期を迎えぬように。

繰り返さないように。

 

それらへ仕向けるものすべて 

否定してやる。

あたしはそうはさせはしない。