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灰色の国 (くるー)

創作小説をはじめ、その他徒然と書いています。

蒼い魔術師は悪夢を屠る 12


 
 
アレックス
『…『蒼』の、確認のために聞くが、お前の十八番の、戦略級魔術術式で一斉に屠ることは不可能なのか?』
  
ナタリー
『…ええ、並みの奴らならまだしも、取り憑いた個体のレベルが高すぎる…、多分、即興の魔術式では効果はないわ』
 
アレックス
『…そうだな。なら試しに『あれ』をやってみるか!』
 

クラレス師団長は、私以外を退避させた。
この付近には
師団長と私の2人のみとなった。
 
  
ナタリー
『…何を行うつもりですか?』
 
アレックス
『名付けて、合同魔術術式。2人で1つの術を成す。』
 
ナタリー
『…具体的には?』
   
アレックス
『お前は、この講堂の空間を定め、固定する。言わば『檻』だ。
俺はこの講堂内で、原則封印術でもある『爆散蒸発級魔術』を発動。
…知っていると思うが、この術は、効果はほぼ100%だが、被害範囲がデカすぎて、この山一つは軽く消え去るくらいだ。そこで、この手段を取る!』
 

ナタリー
『…なるほど…「原則封印術は、あくまでも原則だ!」でしたっけ?…ちなみに試したことは…?』
 
アレックス
『ない!今回が初お披露目だ!』
 
 
原則封印術とは、その危険性から、魔術師協会で定めた「原則的に使用を禁止する魔術」のことを示す。


爆散蒸発級魔術とは、
術者を中心とした、術者以外の広範囲を、文字通り蒸発させ、すべてを吹き飛ばす術式
術の範囲は、任意で定めることが不可能であるため、
魔術師の間では通称『やけくそ魔術』と呼ばれている。
 


…やるしかない!
  
 
私は檻の役割を成す、空間固定の魔術術式を…念のため厳重に編む。
 
 
魔術回線による通信が入る
 
 
アレックス
『準備は良いか?…』
  
ナタリー
『…ええ…』

アレックス
『それじゃあ、いくぞ!!』

  

 
講堂は一瞬で吹き飛んだ。
 
 

…真っ白な砂埃が消え去ると、
そこにはクラレス師団長が笑顔で仁王立ちしていた。
  
アレックス
『大成功だな!がははははっ!』
 
 

アカデミーでのこの惨劇で、死者(学生・講師・軍人全て含め)28人
…後に、この死傷者の中に、
私の同期生が2人含まれていたことを知った。
  
 
…後に「学内悪夢」と呼ばれた事件であった。



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蒼い魔術師は悪夢を屠る 9

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