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灰色の国 (くるー)

創作小説をはじめ、その他徒然と書いています。

蒼い魔術師は悪夢を屠る 7

第六章
  
アカデミー講師としての初日が終わった。
 

夜になり、私が宿泊する教員宿舎の一室の戸を叩く者がいた。
ハンダーであった。
  

ハンダー
「よっ、ちょっと息抜きに付き合えよ」
  
ナタリー
「…まあ、良いですよ。」
 
ハンダーと二人で、学生時代からの憩いの場
山中をさらに登ったところにそれはある。
星空が綺麗に見える場所が。 
(…そういえば「あの時は…7人ぐらいだったな…」…)
 
 
…その空間に着いたとき、久々に、少しだけ肩の荷が降りたような感覚を覚えた。

  
ハンダー
「ナタ、最近はどうよ?」 
 
ナタリー
「…そうですね。正直、気を使いっぱなしですよ。心身共に大変ですね…」
  
ハンダー
「…それは「シュバルツの悪夢」の対応もあってか?」
  
ナタリー
「…情報はある程度、伏せられていると思っていましたが、やっぱりあの規模の出来事をもみ消すのは不可能みたいですね。
…ええ、シュバルツの街は、パラドクスの影響で、75%壊滅状態です。」
  
ハンダー
「やっぱりか。あの地域の主な管轄は第三師団だったと思うが…
まあ、お前たち本部の連中が出向いていかなきゃ、シュバルツの街は100%壊滅だったろうな。」
  
ナタリー
「…」
  
ハンダー
「お前のことだから、どうせまた無茶なことしたんだろう?」
  
ナタリー
「否定はしません。」
 
 
 
シュバルツの悪夢、
今から2か月前にあった事件だ。

シュバルツの街で「パラドクス憑き」3体が現れ、
そいつが夜な夜な、住民を襲い、犠牲となっていた事件だ。
 

パラドクス憑きがここ最近、高い頻度で出没するようになっている。

そして更に、
管轄担当であった「第三師団」のシュバルツの街 駐屯の部隊が、事態を認識するまでに時間がかかった上に、
駐屯地の隊長が、上への報告を渋った結果、
すべてが後手に回った。
  
 
ナタリー
「…私がもっと早く、手を打てたなら…犠牲者は減らすことができたはずなのに…」
  
ハンダー
「…そうやって、背負い込む癖、相変わらずだな。お前のせいじゃないぞ。」
  
ナタリー
「…」
 
  
ハンダーはそういえばと言い話を変えた。
  
ハンダー
「…そういえば放課後、うちのクラスの奴らにお前のこと色々と聞かれたぞ。
「ノーツ先生は守秘義務で、と言って教えてくれないんです~」ってな」 
 
ナタリー
「…守秘義務に変わりない。」
  
ハンダー
「だからな、それとなく、お前の武勇伝として教えておいた」
 
ナタリー
「…はあっ?…話した!?…どこまでを?」 
 
ハンダー
「学生時代から最初の配属先、そしてお前の出世街道などなど…
あいつら聞きたがるんだもん。大丈夫。お前の株はうなぎ登りだ」
 
ナタリー
「…詳しく聞こうか…」

 
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