灰色の国 (くるー)

創作小説をはじめ、その他徒然と書いています。

愚者と女帝と刑死者と 36

赤髪 銀髪の2人は
先ほど購入した本を大きな紙袋へ入れてもらい
『ふうっ 疲れた。休憩したいよー』
と言っていたので
3人で、喫茶コーナーへと入っていった。






赤髪はアイスカフェラテ

銀髪はブラックコーヒーと、チーズケーキ

僕はソイラテを注文した。





そのまま3人で
購入した本の話しをしていて

僕は、2人が購入した『高価な専門書』について尋ねた。







すると赤髪はこう答えた

赤髪
『文字通り 臨床心理士を目指すため、勉強する本。
俺たち2人ともさ、将来は、大学院まで行ってさ、目標はスクールカウンセラーなんだ!』






チーズケーキを完食した銀髪が
話しへと加わってきた。




銀髪
『刑死者のことだから、
今までの付き合いの中で、
私達が何故まだ高1なとか?とか、そうゆうのも含めて、『訳ありな者』だってことは
薄々、気付いていたでしょう?』



僕は『まあ…』と曖昧に返した後に、

慌てて
『もちろん、2人は大事な友達だ。
たとえ訳ありだろうと、そこは変わらない。
だから、事情は、こちらからは絶対に聞かないよ。』と早口に言った。







するとこの2人は
目配せした後に、銀髪がこう言ってきた。



銀髪
『あなたさへ良ければさ…むしろ聞いて欲しいんだ。たぶん、あなたなら それをちゃんと受け止めてくれると思ってるの』









僕は覚悟を決め、
2人のここまでの道のりの断片を聞いた。
まさに『訳ありな事情』だった。









赤髪 銀髪
2人の家系には教師がとても多く、
2人の両親、同居している祖父母ともに教師であったり、元教師でもあった。



そのためか、2人の両親の躾は
なんとゆうか…かなりキツイようだった。

食卓での箸の持ち方はもちろんのこと、
門限や塾通い…などは、まあ

この両親に限らず、躾が厳しい家では珍しくないだろう。








けれども、2人は両親から
『絶対に〇〇高校へ入って、そして〇〇大学へ入学して、〇〇大学の教育学部で、教師になりなさい!』
と、既に進路を 両親の想いで定められてしまっていた。







2人は、最初のうちは
『それが当たり前』ことだと思っていたらしい。








僕がここまでの話しを聞いた感想は
『少なくとも、
両親に将来 なりたい職業まで決められたくはないな』と考えていた。













2人の話しは続く

2人の話しに出てきた〇〇高校とは
県内では5本の指に入るトップクラスの進学校



並大抵では入学できない。
それでも2人は、文字通り『必死』に勉強をした。
両親の期待にも応えるためにも


が、ここで2人は、過度のストレスのためか
次第に心身の体調を崩していった…