灰色の国 (くるー)

創作小説をはじめ、その他徒然と書いています。

愚者と女帝と刑死者と35

季節は初夏



放課後
今日はシフトがオフの日だ。



…たまには、買い物でもして、
ふらふらとしてみようかなと考えて歩いていると
後方から声を掛けられた。





赤髪と銀髪だ。




赤髪
『今日はバイトないんだな?
珍しいなー そうだ! 俺たち、雑貨屋と本屋に行く予定なんだけど、一緒にどうだ?』

赤髪は陽気にそう言った。





銀髪
『もちろん、無理ならちゃんと言ってね!
ただ…あたしもたまには、あなたと遊びたいなー…なんてねw』







僕は、本屋に興味があったし

何より、
この2人と遊んだことは、今までなかった。が、
一緒に遊びたいなとは思ってはいた。









僕は二つ返事で了承して
街中の ショッピングセンターを目指した。








ショッピングセンターに着くと
そのまま まっすぐ 
書店へと向かった。












赤髪は嬉々とした表情で
新書コーナーへと向かった。








その姿を見て、姉の銀髪が言った。

『あいつね、いわゆる 活字中毒ってやつなのよ。食費を削ってまででも、本を買うようなやつなの。
まあ、あたしも、赤髪とまではいかなくても、読書は好きね』




2人は
片っ端から本を手に取り、興味があるとカゴへ次々と入れていった。

既に10冊ぐらいは、カゴに入っていた。







すると赤髪は
『あ、姉ちゃん あの本も買わないとな』
と言い、新書コーナーを離れた。







向かった先は
…専門書コーナー


様々な分野の専門書が、そこには揃っていた。

医学分野 法律分野 福祉分野 理工学分野 数学書
etc







どれもやはり、高価な本ばかりだ。









そこで赤髪が手に取った本は…

臨床心理士 発達臨床心理士 入門』

という本だった。