灰色の国 (くるー)

創作小説をはじめ、その他徒然と書いています。

愚者と女帝と刑死者と 34

高校生活の方は
なかなか気の合う2人とつるむようになっていた。






その2人は男女の双子

2人とも
僕より一つ年上だが、同級生




2人とも、髪を脱色し

男の方は赤髪
女の方はほぼ銀髪









最初は怖い印象を受けたが

赤髪とは
授業の席が隣になったことがきっかけで、
よくつるむようになっていった。








現国の授業中だった。
赤髪
『悪い…ルーズリーフ持ってね?
あったら借りたんだけど…』


授業中、僕に向かって、こっそりと、
そう言ってきた。





赤髪は、見た目に反して
とても真面目に授業を受けている。





僕はルーズリーフを渡した。












休み時間になり
赤髪が僕に話しかけてきた。

『さっきはサンキューな!』



そこへ、後方の席から

銀髪の女がやってきて、僕にこう言ってきた。

『ごめんねー!うちの愚弟が迷惑を…』

赤髪
『姉ちゃん!口出しすんなよー』






僕は、大したことじゃないよと答えた。






ここで初めて、
互いの自己紹介をした。

この2人が、
僕にとって、高校での初めての友達だった。






互いに話していくと
この双子の人となりが分かっていった。




1.見た目は奇抜だが、2人とも真面目ちゃん

2.同じ、アパレルショップで働いているらしい

3.実家は教師の家系らしいが、2人とも『教師には』なりたくないらしい。

4.進路のことで親と喧嘩になり、
現在は、左官をやっている叔父の家で生活している。







二人と話していると
なんだか、居心地の良い感覚を覚える。









それと同時に
2人の人となりや、今までの話しを聞いていると、
多少『訳あり』な部分が、見え隠れしていた。














…正直、こちらにも

自分自身 
最近になって、確実に感じ始めた、
『他人には言えない部分』があるから、
今は敢えて、こちらも
その部分には、踏み込まないようにしようと思った。













…そういえば、
その『他人には言えない部分』について

恐らく…恐らくではあるが



女帝と愚者 

それと、オーナーさんは 薄々 気づいているのかもなと考えていた。