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灰色の国 (くるー)

創作小説をはじめ、その他徒然と書いています。

愚者と女帝と刑死者と 14

女帝はこう言った。
『あなたよ、その2年生の子が好きなのは…』


それを聞いて愚者は
『もうっ!このっ!朴念仁!』
と蹴りを3度もくり出した。


女帝はこうも続けた。

『夏のコンクールに向けて、一丸となって練習に集中して欲しいから、
その後輩には 夏の大会が終わるまで待つよう 釘を刺してあるわ…でも…』



女帝は続けた。
『あなたは、どのタイミングで告られたとしても、
どうせ断るんでしょう?』

『…まあね…』と
僕が答える。



女帝は続けて言った。
『これでも付き合いが長いから、
私達は分かるわ。
あなたが色恋ごとに興味が無いどころか、
嫌悪感すら持っている事に…』







ここで愚者が、
やけくそ気味に言ってきた。

『あたしがここで、今、ストリップショーをやり出しても、
反応するどころか、お前はきっと、
怒りながら、この部屋を去っていく。
そうでしょ?
そら、実際にやってやろうかしら、ストリップ!』と言い、
本当にセーラー服の裾を捲り始めた。





『やめろ!』これは僕の声だ。

こんな声が
自分から出たことに、さらに驚く。




3人がいる部屋が静まり返る。

愚者の彼女は『ごめん…』と一言


女帝は深いため息を吐いた後に
話を再開した。

『そうゆうこと、こんな事が 同じ部内、ましてやひとつのパート内で起こってちゃ、
一丸もなにも無いわ。

私は、その後輩も、
もちろん刑死者も悪いとは思わない。でも…』




『何もかも、
悪い結果になるのが明白な案件について、
部長である私が介入せざるおえなかった。
その上での、あなたからのその相談… 
本当に頭が痛いわ』

女帝はそう言って、
うな垂れてしまった。





僕は、無神経であった。
居た堪れなかった。


ごめんと言いながら、
僕はその場を去ろうとした。






愚者がそれを制し、
僕は再びその場へ(力ずくで)連れ戻された。


うな垂れていた女帝が顔を上げ、こう言った。

『良いわ、あなたの案件も含めて、私が一手に引き受ける。
だから刑死者、あなたはとりあえず、今まで通り、部活に参加して』
女帝は顔の向きを変え、こう続けた。

『それから愚者、くれぐれも、場を乱さないで!』