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灰色の国 (くるー)

創作小説をはじめ、その他徒然と書いています。

愚者と女帝と刑死者と 5

 刑死者こと僕は、けっして、人付き合いが下手なわけでもないが、
自ら人の輪に入っていくタイプではなかった。なので、用がなければ、机に座ってただ、ぼーっとしているような感じだった。
野球チームでも、そこは大して変わらず、チームプレイはできるがやはり1人
 僕はなんとも思わなかったが…


要はそんな『浮いた存在』の僕を
愚者のクラスメイトが、嘲笑って言いたい放題
だったらしい。

僕は、浮いた存在とか言われるのは、
正直言ってどうでも良かったが
その話しを聞いて、
僕の為に怒ってくれたこと自体は素直に嬉しかった。

それから大晦日 
愚者と女帝と刑死者こと僕は、
親同士が集まるということもあり、
自然と3人で集まっていた。

大晦日の恒例行事の一つと化していた。
いつものように、大ゲーム大会

今回は、人生ゲームをやっていた。

ゲームをやりながらふと女帝が
こんなことを口にした。


『私たち 来年から中学生じゃん… いつまでさ、こうやって集まれるのかな?』
愚者と刑死者の僕と言えば、
女帝の彼女がこんな感傷的に物事を言うのをあまり見たことがないので
正直、2人して驚いた。

そんな中 僕は言った。

『たぶん、これから 会うこと自体、少なくなっていくと思う。けど会おうと思えば、案外簡単に会えると思うよ。』

女帝の彼女は無言であったが、よく見ると口角が少し上がっていた。
…笑っているのかな?

愚者の彼女はといえば、
満面の笑みで、得意の蹴りを、
何度も僕に打ち込んだ。